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日時:2016年6月19日(日)14:0016:00

所:東京都

 

■第28回裁判員経験者交流会(2016/6/19実施)の報告・感想

■交流会参加者の報告・感想
 
裁判員経験者ネットワーク第28回交流会議事録メモ 文責 弁護士 牧野 茂
 
・出席裁判員経験者:6名(うち一名は補充裁判員経験者)
・司会 臨床心理士水野 弁護士江口
・立ち会い カウンセラー大西(ACO) 弁護士牧野
全員の同意を得て牧野が録音 議事録概要を匿名で作成して内容を経験者に確認頂いて同意が得られたら匿名で議事概要を裁判員経験者ネットワークのホームページに掲載したいと牧野が説明し参加者同意。
以下録音テープをもとにしてこれまでの参加経緯も含めて牧野が概要を編集。
 
【1】経験者、立会人の自己紹介と事件概要ないし罪名
経験者Aさん 約4年前に保険金殺人担当。交流会には多数参加し自己紹介や事案説明は何度もしている。
経験者Bさん 約4年前に覚醒剤事件担当。多数回参加している。
経験者Cさん 5年前 強盗致傷(事後強盗)。最近は毎回のように熱心に参加。
経験者Dさん 約5年前に強盗殺人事件 担当。時々参加して意見を述べている。
経験者Eさん 最近Cさんとともに良く参加している。昨年、殺人事件担当。去年なのに記憶抜けている。意識的に忘れようとしたかもしれない。しかし交流会で刺激され思い起こすようにしている。
経験者Fさん 約4年前に強盗致傷担当。久しぶりの参加。忘れかけていたが一昨年法テラスの取材で少し思い出し、昨年裁判員経験者ネットワークのこころの負担アンケート(明治安田こころの健康財団の助成研究)に協力してまた思い出せた。さらにことしの2月に担当した裁判所で弁護士会主催で裁判官も協力した公開模擬評議に補充裁判員役で参加する機会があり、罪名も強盗致傷で非常に興味深かった。 
 
【2】意見交換
(大西)本番のあと模擬で2回体験ですね。
Fさん  そうです。法廷も評議室も同じでびっくりしました。
評議のあと会場から質疑応答があり評議を振り返ることができて貴重な体験だった。2日間の日程だったが模擬だけどやはり疲れた。真剣に議論した。
本番の時と比較してどうかという質問だが、双方とも裁判長がリラックスして自由に議論できる状況を設定してくれた。ただ意見の言わせ方や量刑傾向の示し方は違っていた。裁判官や裁判員の構成によってもそれぞれ違った評議になると思った。
裁判員裁判でいやな思いがしなかったので模擬評議にも応募したと思う。
 
Aさん どの裁判員も自分の裁判員体験しか知らないが交流会に参加して別の裁判員体験で自己啓発できるので面白くて参加している。
 
Fさん 市民が参加の意義ある体験だと思うが重すぎるような気がする。
死刑求刑事件などまであるし、もっと一般人も気軽な参加ができるようにハードルを下げたらどうか。 辞退率も増加している。
少年刑務所も見学しスピーチトレーニングを聞いたが、
なにか普通と違う印象を受けた。 一般社会から隔絶しているから社会に出ていくとき大変だろう。 裁判だけでなく処遇にも市民参加が望まれる。
 
Cさん 裁判官への裁判員経験者からの要望を牧野弁護士経由でシンポジウム用に依頼されているので皆さんの意見もお聞きしてまとめたい。
 
1点 控訴したかどうか、情報を知りたい。
著名事件では新聞に控訴審がのるが普通は知らないまま。
判決に関与した裁判員としては上訴したかどうか知りたい。
地裁のホームページに裁判員のシリアル番号で検索できるようにしたらどうか。
ついでに控訴審の傍聴券申込書も用意してもらう。
参加者一同賛成。
 
Eさん 控訴されていたので控訴審傍聴しようとしたが1回目ははずれ、判決日には傍聴できた。 控訴したか希望者には通知し傍聴予約も賛成。
 
2点 死刑判決の場合、被告人に控訴を促して欲しい。
(裁判員の心理的負担軽減のため)
 
(牧野補足コメント) 2010年末に死刑求刑事件が連続したが横浜の生きたままのこぎりで殺した事件は死刑判決となったが裁判長は判決言い渡しに際して「控訴を勧めます」と述べ話題になった。牧野にも裁判所が自信がないようで異例として取材があったがそこでは2つの可能性を述べた。一つは評議で意見が割れたので少数の死刑でない裁判員に配慮したケース。 もう一つは全員一致だったが控訴しないと死刑言い渡した裁判体として確定するのでせめて上訴してもらって確定してないことで心理的負担ケアをはかった。
 
Cさん その横浜の報道は知っていて関心があってその後自分も死刑事件でないが裁判員になったので提言している。
 
Aさん 自分は妻とともに放火事件の被害者でともに重傷。 殺人事件なら死刑判決も当然の事案ある。 だから私は評議で死刑に賛成するかもしれないし死刑の結論なら控訴を勧める必要なくそれは被告人に任せれば良い。 しかも一人はプロの裁判官が入るからよりどころになる。
 
(牧野) 袴田事件の再審無罪の事件の一審の裁判官は無罪と思っていたが合議の多数決で死刑となり死刑判決を書かされた。その苦悩から裁判官も辞職し弁護士になり、その後無罪と思っていたことを告白した。 裁判員裁判でも同じ苦悩があり得る。
例えば「7対2」で死刑判決の場合、死刑でない意見の裁判員は守秘義務があるため反対意見があったこともいえず死ぬまで死刑を言い渡した裁判体の一員として墓場に行くことはつらすぎないか。
死刑を裁判員事件の対象外にすべきとか全員一致にすべきとかの議論もある。
 
DさんもEさんも死刑か無期しか選択できない事件だったので大変だった。
 
Fさんから質問 死刑かどうかの議論に耐えられない人はいたか?
 
(牧野) それだけでは辞退や解任理由にはなりにくいが心身が持たないとの主張なら可能性はある。
 
Fさん 辞任かどうかでなく議論にたえきれない思いはなかったか?
 
Dさん 自分は決められたなかでの議論で議論を尽くしたことで耐えられた。他の人も表面的には耐えられていたがひょっとしたら相当苦悩していた人もいるかも知れない。
この事件の評議で苦労して結論出したので、日常では曖昧でいいやと考えるようになった。(一同笑い)
 
Bさん 評議の感想としては「 疲れた、完全燃焼できた」ということ。いろんなひとがいるから様々な意見がでる。
限られた時間内で結論を出さないといけない。ただ他人の意見を否定しなかった。一つの事象について正反対の見方が出てきても受け入れつつ議論を続けた。
普段の仕事の会議だと上司の意見が結局とおることが多いが、評議はおなじ一票。
 
(牧野コメント) 一つの結論に向かってチームとして共同作業という点で良い評議の場合は日常の営業会議とは違う達成感があるのですかね。
 
Bさん そう思う。
 
3点目 声掛け事件への対策として裁判員も法服をきたらどうか。服装による特定がなくなるので個人を覚えられないメリット。
 
(江口弁護士からコメント)
しかし九州の事件では「顔覚えてるけんな」と言われてるから顔自体で記憶されるのでは?
 
Cさん 比較的覚えにくくなる効果はあると思う。「おおげさすぎるのではないか」との感想もあった。
 
(牧野コメント)
地方勤務時に事件関係者から町中で追っかけられるなど危険な経験があると話してくれた裁判官もいたとのことだが、裁判員は1回かぎりだけど裁判官は次の事件で法廷で仕返しできるから攻撃されないだろうと法曹は思っていたが地方では裁判官も危険なこともあるとのこと。
 
Aさん 裁判員に関しては出口でバスを用意して駅まで(隣の駅でも)送れば安全ではないか。
その後、話題は裁判所によって判決文をもらえるところや法服を着させてもらえるところとないところの差別について活発な議論がされCさんは全国一律のサービスを提案。
Fさんは忘れたい人もいるから判決交付でなく希望者には交付で良いとの意見。
Fさんは久々の参加でこの間思っていたことをたくさん話せてすっきりしたとのことであった。毎回の参加者も嬉しいが、時々話したいときに参加して思う存分話していただくのも本人にも他の参加経験者にもプラスになると感じられた。
 
以上