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裁判員経験者交流会2010/12/13

第2回裁判員経験者交流会(2010/12/12実施)の報告・感想

今回の交流会は少人数で行い、ゆっくり話ができるような形式で行った。

日時:2010年12月12日(日)13:30~16:00 場所:東京都千代田区◯◯会館和室

1.経験者参加者

3名 ・裁判員経験者: A氏(麻薬特例法・関税法違反を担当) B氏(強盗致傷を担当) C氏(保護責任者遺棄致死を担当) ・弁護士、臨床心理士等が同席

2.交流内容

それぞれ自己紹介後、裁判体ごとの違いについて意見交換

・裁判員の呼称について A/C:番号制 B:裁判長から同意を求められ全員一致で名前に統一(法廷内では番号) C「名前で呼び合うことについて、自然ではあるが、事後うっかり名前を出してしまうことで守秘義務違反になる恐れを懸念する。」

・評議室について A/B:評議室にはお茶菓子(チョコレート、塩せんべい等)、水だけでなくジュース等 C:コーヒー、紅茶(インスタント)はあるがお菓子はない C「ミネラルウォーターは1日1本支給されたが、トイレが近くなるため水分は控えたほうがよいと助言された。」

・評議室の座席について A:毎日自由席、空いているところに順次着席 B/C:予め指定されている席に座った B「Cがもらったような座席表などはなかった。」

・1回の審理時間について A/B:審理中は40分から1時間に1回は必ず休憩 C:最低2時間は法廷にいた B「少し休憩をとり過ぎなのではないかと思った。」

・心理的負担について A:量刑の多少の問題だったので負担は軽い B/C:刑期について深く悩み負担は重い B「事件関係者が暴力団関係だったので、巻き込まれるのではないかという心理的負担はあった。」 C「亡くなった被害者の写真を見て、就寝中、天井からその画像がゆっくり降りてくるような夢を見た。その時、負担とは感じなかったのは疲れていたからかもしれない。」

・裁判員メンタルヘルス相談窓口の案内資料について A/B/C:選任手続後、評議室内で受領した案内書類一式の中に含まれていたが、詳しい説明はなかった

・判決書き(判決文)について A:希望者には郵送で送付 B:何も聞かれずに約1週間後に郵送 C:一切触れられず B「書留等ではなく、普通郵便で送られてきたことに違和感というか疑問。」 C「現在、裁判所に問合せて請求中。」

3.まとめ(その他の発言等)

・ 3人とも裁判員制度への参加には最初から前向きであった。 ・ 裁判員経験後、社会への見方が変わって刑事裁判に興味をもち自分たちの問題と捉えるようになった。 ・ 職務終了後、裁判所へ毎日通い裁判を傍聴し、記録を付けるようになった等、生活の変化もあった。 ・ 裁判は自分たち国民に直接関わるものだと思い裁判員をやった。不意の事故などで、自分が被告人席に座るかもしれない。その時に正しく裁かれたいと考えたから真剣に臨んだ。 ・ 人を裁く(判決を下す)ということは、人の自由を奪うことだと思う。 ・ 3人とも、今後も他の裁判員経験者と交流できるならばしたい。 ・ 自分たちの経験を語ることが、これから裁判員になるかもしれない市民の不安解消に役立つと思う。 ・ どのようにはじまり、昼食はどうかとか、休憩時間とか毎日の過ごし方、裁判所の対応等を具体的に知っているとずいぶん楽になるはず。 ・ 裁判員経験者がその経験を語る場があることは有意義だと思う。地域コミュニティなど。 ・ シンポジウム等を開催して裁判員になったらどんな生活を送るかなどを語ることがあれば協力したい。 ・ 名前や具体的な事件名を伏せれば、本日の交流内容は公開自由との了解を得た。 ・ 来年3月頃また企画しましょうとのことで閉会。 ・ 終了後、経験者1名は時間の都合がついたので立会人有志と飲み会で懇談した。

以上

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