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その他2016/03/05

裁判員のこころの負担とケアに関する調査研究論文を掲載(財団法人明治安田こころの健康財団の研究助成論文)

当ネットワークでは2015年より実施してきた、明治安田こころの健康財団助成研究、裁判員のこころの負担とケアに関する調査研究論文(「裁判員裁判における裁判員の家族にも話せない苦痛の実態」)を掲載しました。

調査にあたり、大勢の皆様からアンケートやグループワークなど多大なるご協力をいただきましたことを改めて感謝申し上げます。この研究は裁判員経験者の方を対象とした「こころのケア」に関する、全国でもさきがけとなる調査となりました。論文では裁判員経験者皆さんの声をもとにした現状の把握と分析、改善のための提言が記されています。

この研究では、裁判員裁判に関わる裁判員の「家族にも話せない苦痛とこころの負担」の実態を明らかにして、それにもとづいて「その軽減策」を提示していくことを目的としています。そのために裁判員経験者のみなさんへアンケート調査、及びグループワーク(グループ面談)を主に行ないました。

アンケート(質問紙)による調査結果とグループワークによる調査結果では、同一の経験者においても「こころの負担」の認識にズレがあったり、グループワークでの語りから、新たな気づきの内容が浮かび上がってくるという、意義深い結果を得ることができました。また、裁判員の親族間の刑事事件ヘの取り組みと「家族との関係性」の捉え直しについても「副次的なテーマ」として研究を行ないました。

さらに裁判員の気持ちを軽くする効果がある「経験の分かち合い」(共有)には、裁判員に課せられている「守秘義務」の心理的な萎縮が大きな障害になっていることも明らかになりました。そして、調査結果およびその分析に基づき「こころの負担の軽減策」の提言も行っています。

今後も裁判員経験者ネットワークでは交流会などのイベントを開催するとともに、皆様の声を集める調査研究等を行い制度改善を目指していきたいと思っております。

掲載論文こちら

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